サイクリックボルタンメトリー -抗酸化剤分析-

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図 1. 1.0%のアスコルビン酸ソーダ含有の化粧クリームのCV .
図 2. 無添加のお茶のCV

EChem 基本システムは、サイクリックボルタンメトリー法を使った抗酸化剤の分析に活用されています。

はじめに

サイクリックボルタンメトリ(CV)はオイル、食品、医療、農産業分野で使われている抗酸化剤の評価に用いられています。

CV は抗酸化剤の簡便な定量法として、また必要最小添加量の試験などに広く用いられています。電極に印加電圧を架け、両電圧間をスイープさせます。電圧によって抗酸化剤から電子が失われると電流が発生し、ある電圧で電流シグナルにピークが生じます。これらのピークを示す電圧値から抗酸化物の種類が、ピークの高さと面積から含有量が分かります。

化粧品の抗酸化物質

抗酸化物質は、多くのスキンケア製品が唱えるアンチエージング効果を示す主要な添加物です。抗酸化物質は、大気汚染やUV照射に対し皮膚を保護し修復させるとされています。化粧品原料の抗酸化物質のレベルを定量化することによって、製造者は製品によって提供されるこれらの効果のレベルを正確に調整することができます。

サイクリックボルタンメトリーは、植物や抽出物および製剤などの抗酸化能を測定するための手頃で信頼性の高いツールです。研究における有用性に加え、品質管理データの収集や抽出手順を最適化するためにも便利な技法です。手軽に含有物の抗酸化能を測定しレポートできるます。図1は、1.0%アスコルビン酸ソーダ含有の化粧クリームのボルタングラムを示しています。

食品中の抗酸化剤 

多くの食品には、高レベルの抗酸化剤が含まれています。フルーツジュースや植物抽出物内の主要な抗酸化物は、ビタミンC(アスコルビン酸)やポリフェノール性化合物です。食品の'腐敗'の多くは酸化が進んで抗酸化剤が減少するためで、食品中の'総抗酸化レベル'をモニターし食品の鮮度や品質の指標とすることができます。'総抗酸化レベル'は、通常ビタミンC(溶液中)やビタミンE(脂溶性抗酸化剤)の等量に換算して引用します。eDAQ社のEChem 基本システムは、飲料水のサイクリックルタンメトリーを測定するのに利用されています。図 2 は、お茶のサイクリックボルタモグラムで記録される抗酸化物(ポリフェノール性タンニン)のピークを示したものです。

薬物の抗酸化剤

EChem 基本システムを使ったCV測定が、血漿中の抗酸化物レベルの解析に利用できます。ダイエットやストレスの影響をはじめ、動物モデルを使った感染の研究にも応用されています。伝統的な医学分野でも抗酸化物レベルの薬定量化は重要なテーマです。